宿題 #3(石垣駿様)

※この文章は「宿題割引」でVOLUME 1『うみべのクロノス』を観劇した来場者によるレビューです

お名前
石垣駿様

観劇日時
2018年3月22日 19時30分


「面白い舞台、と一言では言い表せない」という感想ですが、演出、役者さんの演技含め「見応えのある舞台」だとは感じました。

ストーリーに関しては「ある出来事」についての個人個人の回想が多くある作り方とはいえ、話が進展している感覚があまりないのがやきもきしました。

内容、ストーリーに明るい面がほとんどなく感情の浮き沈みがずっと沈んでいて上映70分にしては長く感じました。話の核心だと受け取った部分が非常に暗く重いものなので好みが別れる作品だと感じました。もっと晴れやかな彼女達も見てみたいと思います。

隕石が何を意図する要素なのか掴みかねるという印象でした。

隕石の要素とストーリーがどう絡んでいるのか私にはわからず、もやっとしました。

演出面に関して、開場中に役者が舞台上に「ただ」いるのはいい演出効果がある様に思えなかったです。

色々な劇団でも同じ様に開場中に演者が居続ける演出を見ますが、使い古された感じが否めないし、良い効果があるように感じたことはないです。本編冒頭に「居残りさせられている」と、ずっといたことへの回収?がされていましたが、良い効果があったようには見えなかったです。

冒頭の語りの部分が、モノローグとして頭の中の「考えている事」として捉えましたが、口調や言葉遣いがキャラクターとギャップがありすぎるように感じました。学校の制服を着た十代女子学生の見た目なのに、そのキャラクタに沿った口調、言葉遣いではない感じが個人的に引っかかるポイントでした。例えばそのキャラクターの独自の口調や口癖などあったほうがキャラクターを早い段階で理解できると思うし、それぞれの違いが出て「見ている側」は飽きないと思います。

波の音の音質が悪いと感じました。設定的に少し離れた場所から聞こえて来る、というのがあってフィルターを掛けているのかなとも思いましたが、冒頭の印象的な音でもあると思うので、もっとクリアな綺麗な波の音でよかったんじゃないかと思いました。

ラジオの部分の音は良くできていただけに気になってしまいました。

最後姉が立ち去る時、一度立ち止まってその後に本当にはけるところがありましたが、「一度立ち止まる」というのが形式的に見えてしまいました。振り返っての、「表情」を使った演技の方が何かを物語ることができるんじゃないかと思います。微笑むだとか、切なそうに目を伏せるだとか。

同じセリフを間をおいて何度も繰り返すのは、印象にも残るし非常に良かったと思います。みている側もそのセリフを無意識に反芻できる感じがあって、注目できてわかりやすかったです。

これは好みですが最後まで素性の知れないキャラがいるのはいいと思いますが彼女がそこにいた理由、もっといえば開場中もいた理由を観客にわかるようにオチをつけて欲しかったです。

「私はあの時こう思っていた、こうだった」という回想独白のシーンが多く、リアルタイムなキャラ同士のやりとりが少ないと感じてしまったので、そういうシーンももっと見たいと思いました。

役者の「ではけ」がほとんどなく客前に出ずっぱりなのに、シーンごとにきちんと登場人物がわかったのでライティングや立ち位置による演出が非常にうまいなぁと感じました。

役者さんの演技はそれぞれ素晴らしかったです。特にヒメ役の方の出で立ちというか、キャラクターの自然な雰囲気で舞台上にいれる点や、ヒバナ役の方の芯のある演技や、顔が隠れているにも関わらず表情の変化がわかりやすかった点がよかったです。

入れ替わり立ち替わりの人物の見せ方の工夫は見応えのある演出だと思いました。

今回のストーリーはたまたま私の肌には合わないかなと思うものでしたが、役者さんの演技、演出ともに光るものもあったと感じましたし、見応えのある舞台だったと思います。次回公演があればまた観に来れればと思います。

公演お疲れ様でした。